自分の内なる願いに気づくことは、自分の命を大切にすること 

共創レポート
2024.12.20

「おとなの対話の会 本当の話をしよう」第9回目を12月10日に開催しました。この対話の会は、毎月第3火曜日(今月は第2火曜日)のお昼に、ベネッセ社員や、みらいキャンパスの保護者の皆様、講師、未来の学びデザイン300人委員会の皆様、教育に関心のある一般のかたがた等にご参加いただき実施しています。今回は、「おとなの私こそ大切にしたい『自分軸』」をテーマに対話をしました。参加したみなさんそれぞれが自分自身の内なる声に触れる時間となりました。みらいキャンパスの及川がレポートします。 

講師紹介
 渋谷聡子氏 Satoko Shibutani 

合同会社ファミリーコンパス代表。「個人と組織(家庭・学校・職場など)の可能性を引き出す対話と共創造」をテーマに活動する、組織開発ファシリテーター。一男一女の母。

ファミリーコンパス https://www.familycompass.jp/ での「航海術」講座の実施回数は多数。参加者は保護者、教員、習い事の講師、学童保育の先生など多岐にわたる。

おとなの対話の会と「自分軸」 

みらいキャンパス総合責任者の城座(しろざ)から、このおとなの対話の会「本当の話をしよう」で大切にしたいことを冒頭でお伝えしました。「こうすべき」「○○しなくちゃ」と社会や他者の目線を気にしがちな世界の中で、目の前の子育て、子ども育てをどうしたいのか、自分はどうありたいのか。まさに今日のテーマの「自分軸」がこの会の大きなテーマでもあります。

対話の会の意図を伝える、城座のスライドより 

子どもたちへの願いと、そのためにおとな自身ができること 

渋谷さんからのレクチャーの冒頭、子どもたちへの願いと、私たちおとな自身が自分の願いを大切にすることについて、渋谷さんの温かく深い想いが語られました。

渋谷聡子さんスライドより 

まずはおとなたちが自分の命を大事にする生き方を、子どもたちに見せていける社会でありたい。それを可能にするにはどうしたらいいのか、そのための探求をみんなでしていきましょう、と語りかけは続きます。 

毎日満たされた気持ちになれて、「生きているなぁ」と感じられるために、自分は何があったら満たされるのか?それが分かるのは自分だけだから、という言葉に参加者のみなさんもうなずきながら聞き入りました。 

個人の価値観を大事にすることは、個々人の範囲に限ったことではなく、学校教育や社会全体に必要になっていると渋谷さんは説明を進めます。 
その背景にはどんな時代の流れがあるのか。 

これまでは、周囲の期待に応えられることが正解だった時代でした。でもこれからは自分の「こうありたい」「こうだと満たされる」というそれぞれの想いを持ったうえで、その想いを周囲と対話しながら、新しい価値を共に創り出して行く時代へと変化している、と渋谷さんは語ります。 

自分がどうしたいのか を知るために、「社会的正しさ」ではなく「自分の感覚・感情・価値観」を、自分の内側に探しに行く方法についてお話が続きました。 

感情の奥にある「自分の大切な願い」を見つける対話とは? 

NVCを使って、自分の内面との対話を実践的に学ぶことについてレクチャーをいただきました。 

NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)とは:
アメリカの臨床心理学者マーシャル・ローゼンバーグ博士によって体系化され、提唱された自分の内と外に平和を生み出すプロセスです。家族や友人、職場や組織、国家まで、あらゆる人間関係を、支配、対立、緊張、依存の関係(Power over/under)から、人間としての普遍的な深い願いでつながる対等な関係(Power with)へ向かうコミュニケーション手法です。(引用元:渋谷聡子さん )

渋谷聡子さんスライドより 

自分自身で気づけるニーズからさらに一歩深めるために、ペアワークに取り組みました。ほかの人が自分の状況をどう感じ取ったのか、言葉を受け取り合うなかで、自分が思ってもいなかった言葉を受け取り、「そうだったのか」と心に響く体験にもなりました。

投げかけられる言葉の中に「それってどういうこと?」と引っ掛かりを感じる言葉もまた、自分のニーズ・大切なことへと心を寄せる気づきになるものでした。

渋谷聡子さんスライドより 

それぞれのペアワークの中でもたくさんの気づき・自分自身のニーズとの出会いがうまれていました。事後のアンケートでは、以下のような言葉も寄せられました 。
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■人の声を聴くことを通じて、自分のことも知ることができた。
■気づいていない自分のニーズに気づいて、涙が出て、魂が洗われたような。生まれ変わったような感覚を体験できた。
■自分の中の「○○すべき」が残っていることに気づけた。
■ネガティブな感情にもしっかりと向き合うことで、大切な感情に気づくことができると思えた。
■感情を受け入れるための方法が分かったのが良かったです。どうやって家庭や授業に活かせるか、考えていきたい。
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誰にも見せたことがなかった、そもそも自分も気づいていなかった気持ちに触れることは、思いもよらない角度で揺さぶられ、落ち着かない気持ちになる場合もあると思います。その気持ちのザワザワは、自分の本当のニーズに迫る際の、大事な瞬間。真のニーズに迫る言葉として持ち帰り、思い出して深めていけるとよさそうです。

日々の中で、自分の気持ちに向き合う時間を作れないでいた及川にとっては、渋谷さんから投げかけられる問いは、パッと返すことが難しいものもありました。これからは丁寧に自分の感情・声に耳を傾け、内省を深める時間を取っていきたいと思いました。

ニーズの芯をつかまえる方法と渋谷さんの包容力に心を揺れ動かされたあっという間の1時間でした!渋谷さん、各ペアワークのサポートと会の運営にご尽力くださいましたアシスタントの皆さん、たくさんの気づきを引き出してくださりありがとうございました。そしてご参加くださいましたみなさん、ご一緒くださいましてありがとうございました。 

今回の気づきを、もっと深めてみたい、もっと対話がしたい、というかたには、 みらいキャンパスで1月に開講します、おとな向け講座をおススメします! 

▼講座の紹介はこちらから
※Peatixサイトに遷移します。

▼講座のお申込みはこちらから 
※みらいキャンパスサイトに遷移します。 

「おとなの対話の会 本当の話をしよう」は毎月、趣向を変えながらすすめてまいります。次回は1月21日(火)のお昼です。「ひとりひとりの『あたりまえ』『ふつう』『心地よい』と向き合う教育とは」をテーマに、子どもたちの生きる力を伸び伸び育てる教育・子育ての在り方について、対話を通して考えていきます。

無料でご参加いただけるオンラインのカジュアルな会なので、前回お越しくださったかたも、次が初めてのかたも、ぜひお気軽に立ち寄っていただけましたらうれしいです。ご一緒に、皆さんそれぞれの「本当の話」に耳を傾けあっていきましょう。 

<次回1月の「本当の話をしよう」のご案内> 

■詳細ご案内はこちら(PDFが開きます) 
■お申込みはこちら 

及川彩子 Ayako Oikawa(みらいキャンパス) 

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