「ウェルビーイング・ダイアログ」で自分の幸せベクトルを本音で語りあう!
「おとなの対話の会 本当の話をしよう」第2回目を5月21日に開催しました。この対話の会は、毎月第3火曜日のお昼に、ベネッセ社員や、みらいキャンパスの保護者の皆様、講師、未来の学びデザイン300人委員会の皆様などをお招きして実施しています。今回は、幸福学の実証研究をされている前野マドカ氏をお招きしてのウェルビーイング対話。幸福度を高める4つの因子について学んだあと、参加者同士で少人数にわかれて、自由に対話しました。幸福度を高める効果のある「ウェルビーイング・ダイアログカード」を活用することで自然と前向きな対話が促され、なんとも気持ちがホクホクとする会でした。その全容をみらいキャンパス総合責任者の城座(しろざ)がレポートします。
前野マドカ氏
EVOL株式会社代表取締役CEO ・慶應義塾大学研究員。
夫の前野隆司氏(慶應義塾大学教授・一般社団法人ウェルビーイングデザイン代表理事)とともに幸福学研究に従事。「ウェルビーイング・ダイアログカード」開発者。ベネッセ 未来の学びプロジェクト300人委員会メンバー。
幸福度を高める幸せの4つの因子とは!?
約70名の参加者が集まり、大盛況ななか、マドカさんの幸福学のレクチャーから会が始まりました。前野隆司先生とマドカさんが進めるウェルビーイング研究とは、幸福のメカニズムを統計的・客観的に解析するもの。日本人1500人に実施した定量調査から「幸せの4つの因子」のモデルを編み出されました。自己をメタ認知し、この4つの因子を意識していくことで、幸福度をあげていけることを実証、提唱されています。
■自分の強みを認識して、自己実現と成長を促す「やってみよう!因子」
■他者とのつながりを意識し、感謝や愛情を感じ、表現していく「ありがとう!因子」
■自己を受容し、ものごとを楽観的、ポジティブに捉える「なんとかなる!因子」
■他者と自分を比較せず、「自分は自分」とマイペースをキープする「ありのままに!因子」
この4つの因子を理解すると、自分はどんな因子を強くもっていて、どの因子は弱いかな?ということが見えてきます。城座の場合は、「やってみよう!」と「ありがとう!」がとても強くて、「なんとかなる!」「ありのままに!」は弱めです。参加者の皆さんも、スライドの言葉と照らし合わせて「自分自身の在り方」を感じていきます。
ウェルビーイング・ダイアログカードを活用して本音トーク
そしてブレイクアウトルームにわかれて「ウェルビーイング・ダイアログカード」に示される問いについて、話し合ってみる時間です。
■やってみようとワクワクしていることは?
■自分に対して「ありがとう」と言いたいことは?
■前向きでいられるのはなぜ?
■ありのままでいられるのはなぜ?
自分が「答えてみたいな」と思う問いのカードを各人が自由に選びます。「夫婦でどんな小さなことでも、お互いを“よいしょ!”して、“おだて”あっている」「ちょっとくらい嫌なことがあっても、走って忘れる!」など、人それぞれの個性あふれる回答が色とりどりに咲き乱れます。マドカさん曰く、この問いに対する答えは、百花繚乱、百人百様、だそうです。聴いているだけで、ワクワクしたり、ほのぼのしたり、「へぇ~!!!」と感動したり。自然と、互いの心持ちを尊重する「いいね!」の他者承認の感情が、ブレイクアウトルームの中に湧き上がり、対話の場が幸福感で満たされていくのを感じました。「ウェルビーイング・ダイアログ」の力はすごい!
「自分はどんな状態が幸せなのか」を意識しながら日々を生きていこう
マドカさんが語る「幸福度をあげていくため」のヒントは、「幸せの4つの因子」をまずは知って、それを意識的して日々を生きること。すると、自然に、自分の中の「幸せに向かうベクトル」が上向いていきます。(だって幸せになりたいですから!)
自分の中に、どのような「やってみよう」のタネがあり、どんなことに日々「ありがとう」と感謝し、「なんとかなる」という楽観性をもって生きているか。「こんな自分でもいいんだ」と「ありのまま」を受け止められる「自己包容力」を携えているか。自分を抱きしめると、他者のことも抱きしめられます。自分がニコニコしていると、自然に、子どもや、家族や、同僚や友人にも幸せがうつっていくもの。「ニコニコ笑顔」は伝播します。自分の「ウェルビーイング=ごきげんな状態」を意識しながら、日々の小さな幸せを生きていくことが、「幸せな人生を築いていく」ための、簡単な、でもとっても大切な方法のひとつなんだな、と気づけた、貴重な、貴重な対話の時間でした。参加してくださった皆様、そしてマドカさん、心から、ありがとうございました!
「おとなの対話の会 本当の話をしよう」は毎月、趣向を変えながらすすめてまいります。次回は6月18日(火)のお昼です。「ヒューマンライブラリー」で、本役として登場くださる、LGBTQや発達障害など、なにかしらの「生きづらさ」を抱えたかたの「人生物語」を傾聴しあいます。無料でご参加いただけるオンラインのカジュアルな会なので、前回お越しくださったかたも、次が初めてのかたも、ぜひお気軽に立ち寄っていただけましたらうれしいです。ご一緒に、皆さんそれぞれの「本当の話」に耳を傾けあっていきましょう。
■次回の「おとなの対話の会 本当の話をしよう」
詳細はこちら(PDFがひらきます)
城座多紀子 Takiko Shiroza (みらいキャンパス総合責任者)