みらいキャンパス、初めての大規模 対面ワークショップを開催!

みらいキャンパス物語
2024.08.23

2024年7月14日(日)東京都多摩市にて「夏の探究はじめの一歩 キミだけの自由研究発見フェス」を開催しました。マインクラフト、バスボムづくりなどの科学実験、itaブロックによる街づくりなど、様々なワークショップが用意され、午前の部・午後の部で計約300名の親子が来場しました。 
本記事では、それぞれのワークショップの概要や、子供たちの中にどのような学びが生まれたのか、各担当の想いなどを詳しくお伝えします。(前編) 

【ワークショップ①】マイクラを通した協働的な学び体験

講座内容はマイクラ内で海賊になりきり、チームに分かれて宝探しバトルをするというもの。それぞれのチームには攻守の役割があり、その中で相手チームに勝つためにどうすれば良いのかを仲間と相談しながら進めていきます。 
この講座のポイントはマイクラを通じて「仲間と協力すること」「仲間と作戦を考え戦略性を持つこと」です。 
講座の中で、「作戦タイム」というものがあり、そこではPCには触れずに子どもたち同士で集まってどのように攻略するかの意見交換会があります。 

「僕はこっちから行くから〇〇君にはこっち任せた!」 
「ここに相手チームは宝を隠してそうじゃない?」 
「相手が来た時にここどうしたら宝を守れるかな?」 
「ここもっと建築した方が絶対良い!」 

実際に宝探しタイムの中でも自然なコミュニケーションが生まれます。 

「誰かここに来て協力してほしい!」 
「もっとこういう風に探そう!」 

マイクラという子どもたちの中での「好き」が共通しているからこそ自然な教え合いや助け合いが生まれ、初対面でも楽しくコミュニケーションが取れることで会場は大きく盛り上がりました。 
マイクラは、仮想空間があることで様々な内容を「現実」と「マイクラ内」で行き来させることができ、疑似体験的に学ぶこともできます。単なるゲームではなく、子どもたちの好奇心に火をつける窓口の一つにマイクラがあり、その学び方は様々な可能性があると思います。 
今後も、マイクラが起点となって、学びへのハードルが下がり、より多くのことへの好奇心が発散される機会の創出を目指していきたいと思います。 

【ワークショップ②】「シュワシュワ」を通して、化学変化の不思議を体験

「ラムネを食べると、口の中でどんなことが起こる?」 
「シュワシュワ! カラフルボールのひみつ」では、この問いをきっかけに実験を通して、「シュワシュワ」の謎に迫りました。 

ラムネが溶けるときにはどんなことが起こっているか? ラムネに使われている二種類の粉(クエン酸と重曹)を使うと、どんなことが起こるか? 参加者ひとりひとりが、実際に手元で実験をしながら、確かめていきます。 

講師は、元小学校教員で、わくわくキッズ代表のあべまりさん。
「どんなことが起こった?」 
あべまりさんの声掛けで、子供たちは、実験したカップに顔を近づけたり持ち上げたりしながら、よく観察し、「音は?」「見た目は?」「温度は?」など、発見したことを積極的に発表していきます。目の前で起こる「シュワシュワ」の反応には、「わ~」と声があがり、化学変化の不思議を体感している様子でした。

最後は、これまでにわかった「シュワシュワ」の仕組みをつかって、バスボムを作ります。色をつけたり、ビーズを飾りつけたりして、オリジナルのバスボムづくりを楽しみました。

自分の手で確かめてみたり、観察して発見を言葉にしてみたり、身近な他のものと関連付けたりすることを通して、作って終わりではない一歩進んだ科学体験ができる場となりました。 

【ワークショップ③】「謎の物体!? ウーブレックを調査せよ! 」五感を刺激する体験とは 

「お玉ですくう時は、ゆっくりやった方がすくいやすいかも」
五感を使って「ウーブレック」を観察し、参加者同士が考えたことを発言する、さらに講師からの思考のヒントをもとに観察内容や発言が活発化するといったサイクルで、科学的な観察の重要性を学べる場となりました。また、ワークショップの最後には、
「自宅で燃やしたらどうなるのかやってみる!」
「○○と混ぜてみたらどうなるのか家で試してみる!」
とウーブレックを持ち帰る子どもたちも続出し、子どもたちの笑顔からも熱中ぶりがうかがえました。ウーブレックを通して子供たちが科学的な観察や考察の楽しみ方を学び取ってくれることを願って開発したこの講座、今後も、子ども同士のコミュニケーション、講師とのかかわりを通して、子どもたちの将来の可能性や好奇心を広げる機会を大切にしていきます。

【ワークショップ④】夢中で試行錯誤する40分!
「発見!矢のヒミツ~最強の矢をつくって高得点をねらおう~」

歴史の「きのてぃ」こと木野講師、サイエンスの「ダンゴムシ先生」こと佐藤講師、二人の講師の「こんなことやってみたいよね」からはじまった分野融合のレッスン。 

今回は高得点の的を狙える「矢」をつくることを題材にレッスンを行いました。冒頭はきのてぃのステージ。歴史的な観点で、人々が思考し、工夫を重ねながら道具を発明・改良してきたことをクイズを交えて楽しく学びます。後半、実際に矢の工作がはじまると、ここでサイエンスの視点をプラス。飛ばした矢を比べてみて、どんな矢が遠くまで飛ぶのか、どんな工夫をするとまっすぐ飛ぶのかなど、ダンゴムシ先生からの問いが投げかけられます。参加した子供たちだけでなく、ときには保護者も巻き込みながら、比較や分類など理科的な思考で矢をとらえ、よく飛ぶ矢の条件を理解していきました。 
ワークショップの時間終了後も、講師へ質問に来る子や、改良した矢を飛ばしたい子が続出。何度も何度もあきらめずに挑戦する姿がとても素敵でした。

【ワークショップ⑤】建築士になって みんなで 大きな街をつくろう! 

講師は一級建築士のむっちゃん。子どもたちはitaブロックを使って、みんなで街をつくります。 
まずはアイスブレーク。家にどんな部屋があるか話し合います。次にitaブロックで自由にたてものをつくり、街に配置しました。 
ある女の子は「できない」といって手がとまってしまいます。そんな彼女に気づいたむっちゃんが「どんなんつくりたいん?」と優しく声をかけました。むっちゃんが「こんなんどうかなー」とアイデアを出すと、女の子はそれを試し、形ができてくると、彼女の顔には笑顔が戻ります。最後には満足そうに街に建物を配置しました。 
「高い塔を建てるんだ!」と張り切っていた男の子。でも、ぐらぐらして立ちません。困っている彼にむっちゃんが「土台かなー」とアドバイス。その言葉をヒントに自分で塔を完成させることができます。「やったー!」と歓声を上げる彼の姿は、まちづくりの楽しさを象徴しているようでした。 
また、黙々と小さな家を作っていた男の子は、全部違う形の家が並ぶ住宅地をつくりました。別の子は「このまちにはカフェがいるね」と、街中にカフェを配置しました。もう一人の子は「オレは市役所をつくる!」と宣言。大きな役所を建てました。知らない友だち同士が、自分の思いを形にしながら、みんなで一つのまちを作り上げます。 
最後には、完成したまちをみんなで眺め、自分の作品を紹介し合いました。 
この講座を通じて、子どもたちは自分のアイデアを形にする楽しさ、そして形にできたときの達成感を体験できたのではないでしょうか。 

当日はこれらのワークショップのほか、春から3か月間オンラインで実施してきた「みらい探究室」の子どもたちのここまでの探究の成果物の展示も実施。子どもたちの「好き」をトコトン追いかけるパワーが会場をさらに盛り上げました。 

(後編につづく) 

■オンライン講座は、年間を通して随時開催しています。 
【公式】みらいキャンパス | ベネッセコーポレーション (benesse.co.jp) 

Written by 共創ディレクター Noriko Arai 

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