自分をご機嫌にする方法を知っていると、自分も周りも幸せにできる
「おとなの対話の会 本当の話をしよう」第8回目を11月19日に開催しました。この対話の会は、毎月第3火曜日のお昼に、ベネッセ社員や、みらいキャンパスの保護者の皆様、講師、未来の学びデザイン300人委員会の皆様、教育に関心のある一般のかたがた等にご参加いただき実施しています。今回は、5月に開催した「ウェルビーイング・ダイアログ」の第2回目として、「ウェルビーイング・ダイアログカード」を使い、参加者のみなさん同士で対話を深める豊かな時間を過ごしました。みらいキャンパスの及川がレポートします。
子どもに幸せでいてほしいなら、おとなの「幸せ」が大事!幸せのスパイラルを起こそう
まずはじめに、みらいキャンパス総合責任者の城座(しろざ)より、東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同研究から、「保護者が幸せだと、子どもの幸せ実感も高い」という調査結果をご紹介しました。
さらに、保護者が幸せだと、3年後の子どもの幸せ実感が高まり、さらにまた3年後には保護者の幸せ実感がさらに高まる、というスパイラルのような関係性があること、相互補完的に作用しあって、互いの幸せに貢献しあう様子があることがわかっています。
家族の誰かの幸せが他のメンバーに影響し、互いの幸せに貢献しあうということ、そんな幸せの相互作用は学校でもあてはまることがあるそうです。大人がしかめっ面で怒ってばかりだと子どもたちは下向きになるかもしれません。逆に大人がニコニコしていると、子どもたちも居心地よくご機嫌で過ごせるのではないでしょうか。
生きていればいろいろなことがありますよね。いつも心から幸せとはいかなくても、自分を安定させたり安心させたり、自分で自分をご機嫌にできたりする方法を知っていることが大切なのではないでしょうか。
そこで、幸福度を高める効果が実証されている「問い」を一緒に試していこう、自分で自分をご機嫌にするための自分への「問い」のかけ方、マインドの持ち方に気づき合える時間を一緒に過ごそう、と城座がみなさんを誘います。
「幸せである」ってどういうこと?ウェルビーイング研究からわかること
日本のウェルビーイング・ダイアログのフロントランナーでいらっしゃる前野隆司先生と前野マドカさんのお二人は、幸福度を高めていくためのメカニズムを科学的に研究されています。お二人がメカニズムとして研究されている、人が幸せであると感じるために大切な「幸せの4つの因子」について話題を進める前に、城座から「お金があればあるほど幸せになる?」「よい大学を出て高い社会的ポジションにつくほど幸せなの?」という投げかけがありました。
社会的地位財(お金やもの、名誉や会社の中でのポジションなど)よりも、非地位財(お金やものさしでは測れない、自分の成長ややりがい、他の人と愛情や友情などのつながりを感じられること)の方が幸福度への相関が高いということが前野夫妻の研究結果からわかっているのだそうです。
もし自分の中に「お金持ちは幸せ」「学歴が高い方が幸せ」といった価値観があるようでしたら、もしかしたらそのフィルタを外して「幸せ」について考えてみると、このあとの人生が変わってくるかもしれません。
幸福度を高める、幸せの4つの因子について知ろう
幸せの4つの因子についての説明を聞きながら、ひとつずつ、自分の中の感情と突き合わせていきます。
■自分の強みを認識して、自己実現と成長を促す「やってみよう!因子」
■他者とのつながりを意識し、感謝や愛情を感じ、表現していく「ありがとう!因子」
■自己を受容し、ものごとを楽観的、ポジティブに捉える「なんとかなる!因子」
■他者と自分を比較せず、「自分は自分」とマイペースをキープする「ありのままに!因子」
幸せの4つの因子について、しっくりくるものと、そうでもないものありますか?及川は「なんとかなる!」と「ありのままに!」のふたつがしっくりきやすく「やってみよう!」「ありがとう!」のしっくり度は弱めです。城座からの説明聞きながら、自分の中での、4つの因子のバランス(強弱)に気づかされました。
「幸せ」について科学的な分析がなされていること、自分で自分の幸福度を高めていける方法がある、と知ったところで、少人数のグループにわかれての対話に進みます。
ウェルビーイング・ダイアログカードを活用して本音トーク
それぞれのグループのファシリテーターとして、前野マドカさんのもとで資格を授与された、14名もの認定ファシリテータ―の方々がご参加くださる、という贅沢な対話の時間がスタートしました。3~4人のグループごとに、「問い」について思うままに自分の言葉で話し、違いを祝福する気持ちで聞き合い、対話していきます。
1回目の問い
それぞれのグループから戻った後、いくつかのルームの対話についてシェアしていただきました。同じカードを選んだけれど、それぞれの答えの視点が違うことから気づきを得たり、他の人の話を聞いて、自分にも取り入れたいことが見つかったりと、参加者のみなさんそれぞれの受け止めが学びにつながっていた様子が伝わってきました。
今回ご参加くださった認定ファシリテーターの皆さんは、ウェルビーイングの状態でありたいとマインドセットをして日々を過ごされている、ウェルビーイングのスイッチの入れ方を知っている方々であることを、対話のなかで強く感じた時間でした。事後アンケートから、「ファシリテーターの方の受け止めの雰囲気がとても話しやすく、飾らず楽しく話すことができた」というお声や、「4つの因子を意識して過ごしていきたい」「自分のいい面に目を向ける大事さに気づいた」といったお声もいただきました。
対話を楽しみ、それぞれに気づきを得られたのには、ファシリテーターの方の温かい受け止めと、深ぼる問いかけがあったからこそと思います。そんな貴重な時間を一緒に作り上げてくださった認定ファシリテーターの皆さん、そしてご参加いただきましたみなさん、それから前野隆司先生、前野マドカさん、本当にありがとうございました。
「おとなの対話の会 本当の話をしよう」は毎月、趣向を変えながらすすめてまいります。次回は12月10日(火)のお昼です。「おとなの私こそ大切にしたい『自分軸』」をテーマに、子どもも、おとなも、その人らしく生きる姿勢について、参加者同士で対話を重ねて考えます。
無料でご参加いただけるオンラインのカジュアルな会なので、前回お越しくださったかたも、次が初めてのかたも、ぜひお気軽に立ち寄っていただけましたらうれしいです。ご一緒に、皆さんそれぞれの「本当の話」に耳を傾けあっていきましょう。
<次回12月の「本当の話をしよう」のご案内>
■詳細ご案内はこちら(PDFが開きます)
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及川彩子 Ayako Oikawa(みらいキャンパス)