みらいキャンパスで歴史講座の講師を務める木野講師と、みらいキャンパス受講生が対談!歴史に興味を持ったきっかけや歴史能力検定の受験について深堀りました。
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■木野雄介 氏

文京学院女子中高(探究科講師)、宝仙学園理数インター中高(探究科講師)など
スキーインストラクターやシンガポール・マレーシアでの勤務経験を経て、広尾学園中学校・高等学校にて10年間、社会科教諭として勤務。2020年、教師の新しい生き方「複業教師」を実践するために同校を退職。その後は、さまざまな企業・団体とともに教育界を拡張している。

■けんけんさん

小学校5年生。新潟県在住。歴史能力検定準3級に合格。写真は、真田昌幸の顔はめパネルで記念に撮ったもの。

■にゃんこさん

小学校5年生。熊本県在住。歴史能力検定5級に合格。写真は、埴輪づくり体験を行ったときのもの。

2人に共通する苦手な時代は○○!木野講師おすすめの勉強法は?

木野講師
「これは難しかったな」という時代や分野はありますか?

にゃんこさん
明治、大正、昭和は、人物は覚えられますが、年号が苦手です。あとは縄文時代も…。

木野講師
実は、教科書の厚さでいうと、明治時代以降は教科書の半分くらいなんです。現代に近づいてくると、歴史上の特徴が分かりにくくなるので、覚えづらいのかもしれませんね。僕も小学生くらいの頃は、違いが分かりづらくてあんまり好きじゃなかったです。たとえば、安土桃山時代と平安時代を並べたら特徴が全然違いますが、昭和20年と明治30年を並べても、あんまり変わらないなって。

けんけんさん
僕も縄文時代が苦手です。遺跡がこんがらがる…。

にゃんこさん
私は遺跡は得意!住んでいるところが九州だからかな。でも土器が苦手です…。博物館に行くと、縄文土器のなかでも分けられていて、ややこしい!

木野講師
縄文時代の土器でよく出題されるのは、火焔式土器ですね。

けんけんさん
火焔式土器は新潟県の長岡にありますよ。

木野講師・にゃんこさん
さすが地元!

木野講師
火焔式土器って、どう考えても使いにくいと思いませんか?絶対必要なものではないのに、こんなにデザインに凝るのは、よっぽどの意味や目的があるんだなと。こうやって、当時の人物の考え方に自分を重ねて考えるのが僕は好きです。

2人とも、縄文時代が苦手なのが意外ですね!遺跡だと、たとえば福岡県の板付遺跡と佐賀県の菜畑遺跡は、縄文時代の遺跡なのに稲作をしていた跡があるんです。こういった特徴があると、「縄文時代なのに稲作」と覚えやすいですよ。でも、僕としてはただ暗記するのはあまりおすすめしませんね。

たとえば、縄文時代なのに稲作をしていた跡がある遺跡はどこにある?という問題で、福岡県・東京都・新潟県・北海道、という選択肢があったら、どう考えますか?

にゃんこさん
渡来人が先に九州のほうに来たから…。稲作は南から北に伝わったと考えると、九州かな?

木野講師
まさに!渡来人が稲作の技術を持ってきたと知っていれば、縄文時代なのに稲作となると、相当早い。ということは、ルート的に九州と分かりますよね。九州に来ていきなり関東まで行くわけがない!と。こうやって、丸暗記ではなく、他の知識と一緒にストーリーで考えられるようになると、イメージできて覚えやすいのでおすすめです。

歴史能力検定はどんな人が受けている?合格が分かったときの気持ちは?

木野講師
試験の当日はどんな感覚でしたか?

けんけんさん
会場は専門学校で、教室には20人くらいいました。知らない場所で試験を受けるのは慣れていたので、あまり緊張はしなかったです。準3級は、大人か高校生くらいの人ばかりで、小中学生はいませんでした。多分僕が最年少。

にゃんこさん
私は、熊本市内の宿泊施設のような場所が試験場でした。初めての場所でしたが、今のところ試験には1回も落ちたことがないので、なんとなく自信がありました!会場には、大人と学生でも年上の人が多かったです。

木野講師
僕も1級を受けたときは、大人ばかりで子どもはほとんどいなかったですね。でも、10代で1級に合格する人もいるみたいですよ。小学生の受検者が少ないということは、希少性が高いということなので、合格すると自慢できますね!

1か月後くらいに結果が届いたときはどんな気持ちですか?

にゃんこさん
合格ラインより10点高い結果だったのですが、「けっこうやばくない?」と思いました。いつももっと上だから…。次の級を受けるときは、もうちょっと勉強しようと思いました。これまでよりもっと本を読んだり、勉強しようと思います。全時代について書かれてる本を買ってもらおうかな。年に1回だから、次は4級と準3級を2つ受けるのも考えています。

けんけんさん
僕は、自己採点をして受かると思っていました。自己採点が7割くらいで、合格ラインが6割くらいでした。次は3級ですが、勉強方法は今まで通りでいいかな。もっと問題を解いて、解答を見て、分からないことを調べて、歴史の知識を増やしたいです。あとは、みらいキャンパスの歴史の講座をもっと受けたいです!

木野講師
2人とも6年生になったら学校でも歴史の授業が始まると思うので、これからも堂々と歴史を勉強してくださいね!

対談を終えて

みらいキャンパス初の対談!2人とも、たくさん本を読んで、自然な流れで試験に臨んで受かっているのは、歴史が好きだからこそなんだろうなと感じました。試験というと、合格に向けて辛かったり苦しかったりするときもあるイメージですが、2人の話ではそういったことが全然感じられず、「好き」「得意」のパワーも感じました。また、好きを深めて知識を増やして、そのレベルを試せるのが、検定のよいところですね。ぜひ今後も「好き」をとことん究めて、上の級にも挑戦してほしいなと思いました。素敵なお話をありがとうございました!

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Written by Noriko Arai