
3月23日、みらいキャンパスは、ベネッセのオンライン塾講座「EVERES<エベレス>」とコラボレーションし、エベレス「課題解決型レッスン」として今回特別にレッスンを提供しました。
エベレス小学部は、難関高校合格という一歩先の未来を見据え、オンラインで良質な学習環境を提供する講座です。たくさんの小学5・6年生が、国語・算数・英語を中心に、確かな学力をつけながら、未来を切り開く力を育んでいます。
提供したのは、元探究学舎講師で、東大卒ニートとしてTV出演もされたみらいキャンパスのピカ先生による、1回完結70分の「課題解決型 特別授業『伝染病から日本を救った男』 」。
「エベレス×みらいキャンパス(ピカ先生)」コラボレーションで見えた新しい景色を、レッスン担当の田口大輔と矢澤亜希子がレポートします。
はじまりは、出会いを「届けにいきたい」という思い
「魅力的な講師と子どもたちの出会い・対話」を大切にしてきたみらいキャンパスは、これまで主に、少人数の対話型レッスンを実施してきました。
講師と「出会う」レッスンで子どもたちの心が動く場面、世界の見え方が変わる瞬間を、私たちは幾度も目にしてきました。いつしか、みらいキャンパスを知らない子どもたちにもこの出会いを届けられないか、こちらから届けに行く方法はないかと考えるようになった私たちは、エベレスに相談。
話し合いを重ねた結果、昨年夏にみらいキャンパスで実施し好評を博したピカ先生のレッスンをベースとしたレッスンをエベレスに提供することになりました。コラボ開催決定です。開催日は3月23日、エベレス内で提供している「課題解決型ライブ授業」の特別編として実施、対象はエベレスの新小6年生です。
常々、多くの子どもたちに心から楽しいと思える授業を届けたいとおっしゃっているピカ先生にもご快諾いただき、それぞれの想いが重なった企画が動き出しました。
前回とはちがう方法で、前回同様魅力的なレッスンを
先生が1度全力でつくりあげ好評を博した「子どもたちの顔を見て声を聞き行う」レッスン。このレッスンを、「子どもたちの顔はうつさない。意見はチャットで」というエベレスの授業配信方法に合わせカスタマイズする。新規制作とは別の難しさがある挑戦がはじまりました。
「どうしたら楽しんでもらえるだろう?」
「チャットに意見や気持ちを書き込んでもらいやすくするには?」
「皆で一体感を持って盛り上がるには?」
エベレス、みらいキャンパス、それぞれ受講者となるエベレスの子どもたちを想い、届けたい学びを想い、根底の信頼を支えに真剣に意見を交わし続けました。想いを想像し尊重し、譲れないことを確認し、コラボだからこそできる唯一無二のレッスンの形を模索し続けました。調整はレッスン開催日直前まで続きました。
そして当日。ピカ先生とのレッスンに子どもたちは大興奮
レッスンが始まり、事前の様々な懸念は、これまで重ねた検討と、なによりピカ先生の徹底した準備、瞬発力、柔軟で愛ある対応力で、すぐに吹き飛んでいきました。
エベレスでは「はじめまして」のピカ先生。冒頭自己紹介で子どもたちの心を鷲掴みにし、答えやすい質問をテンポよく投げかけることで子どもたちのスイッチをオン。チャットを盛り上げ、ぐいぐいレッスンに引き込みます。子どもたちの表情、様子が見えているかのような細やかな声掛けで、子どもたちと確かにつながり、感情を揺さぶっていきます。
『伝染病から日本を救った男』は、1000円札の肖像となった北里柴三郎の人生を辿るレッスンです。
北里柴三郎が生きた時代の日本人の死因ランキングから、当時感染症が猛威を振るっていることを知ります。病名とその症状、致死率を知り、子どもたちの驚きの声がチャットに溢れます。

そんな感染症に立ち向かったのが北里柴三郎。ということで、彼の人生についてのレッスンが進行します。北里柴三郎はどんな性格なのか、どんな幼少期を送ってきたのか、ピカ先生の変化の大きな語り口調、チャットを介した子どもたちとの軽妙なやりとりに、「おもしろい」 「先生ノリがいい」などの言葉がおどります。子どもたちの顔が見えないことにドキドキされていたピカ先生。なんのそのです。
そして、ピカ先生の真骨頂は、なんといっても感情を揺さぶる瞬間づくりです。人物のエピソードを丹念に拾い、エピソードに合わせたパフォーマンスで伝えることで「すごい」 「好き」 「嫌い」 「かわいそう」 「かっこいい」などの言葉がチャットに連なっていきます。感情を揺さぶることで心が動き、その子の中で視点が変わったり、興味関心に火が付いたりしていきます。

1回のレッスンでのチャット総数も大変多く、子どもたちの言葉が勢いよく流れ続けるチャット画面からは、子どもたちが、ピカ先生との出会い、ピカ先生の紡ぐ物語に夢中になり楽しむ声が聞こえてくるようでした。
レッスン後のアンケートでは「この企画を続けてほしい」 「ピカ先生のレッスンをもっと受けたい」 「ほかの偉人のレッスンも受けてみたい」 など、「もっと!」を願うポジティブな声をたくさんたくさんいただくことができました。
「視点が変わる 見方が増える 世界が違って見えてくる」
みらいキャンパスのレッスンを、これからも、もっと遠くまで
当日のレッスン冒頭、1000円札を手にしたピカ先生から子どもたちに「北里柴三郎が1000円札になる前、この人のこと知ってた?」 「やっぱ北里でしょ!1000円札は!と思った人いる〜?」 「みんなだったらだれを1000円札にしたい?」との質問が投げかけられました。チャットでは次々に、有名なスポーツ選手や好きなキャラクター、ミュージシャン、歴史上の人物などの名前が挙げられていきましたが、レッスン終盤、北里柴三郎の数々の功績とそれにより救われた人々のこと、彼の想いに触れた子どもたちからは「北里柴三郎が1000円札の肖像に選ばれるの納得!」 「納得!!」 「なんで1000円札の肖像に選ばれたかわかった」 「もっともっと高いお札でもいいと思う」などの言葉が溢れました。
ただの1000円札が、「北里柴三郎がいる」1000円札に見えるようになった、世界の見え方が変わった瞬間が、確かにそこにありました。今回受講した子どもたちは今後1000円札を見るたびに、「あ、北里柴三郎だ」と思い、ピカ先生を思い出し、自分を勇気づけるお守りをみたような気持ちになるのではないかと思いました。他の紙幣の人物の生き方に興味が向いた子もいるかもしれません。

自身が感動した物語を子どもたちに伝え、心から楽しいと思える学びを届けていきたいピカ先生、社会課題の解決の体験を通じて主体的に学習に向かっていく態度を伸ばしたいエベレス、少人数対話型でお届けしてきた価値、学びのワクワクを、「視点が変わる 見方が増える 世界が違って見えてくる」レッスンをもっと遠くまで届けたいみらいキャンパス、それぞれの想いを重ね、つくりあげた「特別授業」をたくさんの子どもたちに提供することができた今回の取り組み。
今回の成功を生かし、さらに多くの学びの場でのレッスン提供の道を探していきたいと思います。これからの「みらいキャンパス」にますますご期待ください。
田口大輔・矢澤亜希子(みらいキャンパス レッスン開発担当)