これまでの未来会議その1

共創レポート
2023.10.30

グローバル化の急速な進展、産業構造の転換など、大きな変化が続く社会を背景に、これからの社会に出ていく子どもたちには「知識」「技能」だけでなく、「⾃ら課題を⾒出し周囲と協働して解決する⼒」が求められるようになっています。
そういった課題意識のもと、ベネッセ「未来の学びプロジェクト」では、2022年2月に保護者および教育者・企業経営者・NPO・ジャーナリストなどの各界識者らとともに、今後の子どもたち学びに必要なことを議論する「未来会議」をスタートしました。
ここまで、約1年にわたって「これからの時代を生きる子どもたちの未来に、どのような学びの環境を用意していきたいか」を議論しながら、今回の「みらいキャンパス」プログラムを共に創り上げてきました。
この「未来会議」の議論について、3回にわけてダイジェストでご紹介していきます。
※学年表記等は開催当時

第1回未来会議 2022/2/27開催

■テーマ
広く皆さんがどんなことを考えているのかを知るために、下記3つのテーマを用意し、小グループに分かれてディスカッションしました。
・学歴軸か、自分軸か
・勉強と学びの違いは何か
・これからの未来に必要な力とは
■参加者の発言
・自分軸の方が自分を発揮できると思っていて、自分の学習スタイルを見つけられるよう学習スタイル診断、MI理論、アドラーなどいろいろ検討をしています。
・学びは「体験から感じ取るもの」だと思っていて、子ども(中2)は、小学生のときに行った北海道のサマースクールでの体験から酪農の進路を考え始めています。
・求められるのは、「自分の意見をもつ」「0から1をつくるときに自分のクリエイティビティを発揮する」力ではないか。
・既定路線、他者軸ではない、自分軸を育てるような学びをさせたい。
・主体的かつ対話型のやりとりの中で、自己を認め、他者を受け入れる体験を積み重ねてほしい。

第2回未来会議 2022/3/27開催

■テーマ
ゲストスピーカーとして教育ジャーナリストの加藤紀子氏※をお招きし、現代の教育についてさまざまな観点からの課題提起をいただいたうえで、第1回の議論で出た「自分軸」「主体的な学び」「対話型の学び」をキーワードに、「自分軸を育てる、主体的かつ対話型の学びを具現化していくために、おとなは、社会は、家庭では、ベネッセは、どんな環境づくりができるか、すべきか」を議論しました。
■参加者の発言
・個性を引き出すためには評価軸は1つではない方がいいので、多角的に多くの大人と関わる構造をつくっていきたいですね。
・どんな人に会うかでその子にとっての「当たり前」ができていくので、コミュニケーションの機会をどう多様にしていくかがカギになりますよね。
・その子にあった学習方法、スタイル、スピード、ということが大事で、これが合っていないと自己肯定感が下がるのではないか。
・多様な個性を受け止めながら、それぞれの自己肯定感を高めていく教育を社会全体で創っていく必要があるのではないか。

第3回未来会議 2022/4/24開催

■テーマ
「多様な個性」「自己肯定感」がキーワードとして多くあがる中、第3回では“自己肯定感”をメインキーワードに、3人のゲストスピーカーに参加いただきました。
越智創氏※:NPO法人「日本ピーススマイル協会」代表理事
「自己肯定感にもいろいろある!」
山田裕介氏※:渋谷区立小学校PTA連合会 会長
「向上心を高め、軸を持つことが大切」
加藤紀子氏※:教育ジャーナリスト
「心の筋トレ方法」
各氏の課題提起を受け、多様な個性を受け止めながら各人の自己肯定感を高めていく教育を社会全体で創っていくためにはどうすればいいのかを議論しました。
■参加者の発言
・自己肯定感が低いのは親側の場合も多い気がしていて、親の自己変容も大事ですよね。
・色々な評価軸が合っていいという見方が本来あるべき姿で、グローバルで英語を使って活躍する人もいれば、日本の地域に根ざした生き方をする人がいてもいいですよね。
・子ども自身が才能や好きなものを見つけられることに意味があって、その芽をつぶさないことが大事だと思っています。

さまざまなキーワードが見えてきた「未来会議」。次のステップは?
これまでの未来会議「その2:トライしてみよう!」に続きます。

※ゲストスピーカーに登壇いただいた各氏には、「未来の学びデザイン 300人委員会」にも参画いただいています。ぜひ、未来の学びを考える300人委員会からのメッセージもチェックしてみてください。
「未来の学びデザイン 300人委員会」

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