未来の限りない可能性を、人の創造性をエネルギーに拓きたい

プロジェクトメッセージ
2023.11.09

「未来の学びプロジェクト」の初期の共創の場であった「未来会議」から生まれた「みらいキャンパス」。構想から2年の歳月が流れ、進化の一途をたどっています。そこに一気通貫して流れる想いは。こだわりは。あらためて、総合責任者の城座(しろざ)が語ります。

「共創」を掲げて、「始まりの物語」から2年の月日をかけて生まれた「みらいキャンパス」

未来の教育の「共創プロジェクト」としてはじめた「みらいキャンパス」が開講して、約7ヵ月が経ちました。まずは、ここまで共創活動をともにしてくださった、お子さんたち、保護者の皆様。そして、この壮大な学びの場をひとつひとつ、丁寧に手作りしていくことに心からの賛同と熱量をくださった講師の皆様。陰で、日なたで支え、アドバイスをくださった「未来の学びデザイン300人委員会」(※1)の皆様に、心からの御礼を申し上げます。

プロジェクト初期の「未来会議」から生まれたコンセプト

子どもたちのそれぞれの個性をめいっぱい受け止め、その子ならではの強みや個性や輝きを、あますことなく伸ばしていきたい。そのためには、おとなが十分に声をかけることができるサイズ感の、「少人数」での、「対話型」の「探究授業」を。丁寧に創っていくことをしようじゃないか。そんな声が、「未来会議」にて沸き起こりました。(※未来会議とは=保護者や政治家、企業人、起業家など、多くの社会のステークホルダーの皆様が集い、未来に必要な教育の在り方について、熱く議論を重ねた2021年創設の共創の場です。)

ご覧ください。こちらが、2021年に社内の経営会議にはじめて持ち込んだ、「みらいキャンパス」の事業計画書の一部です。このときの仮の名称がそのまま現在に生きることになったことも自分たちでびっくりしていますが、それもそのはず。そのときの想いは、今も一分たりとも変わりません。いや、それどころか、そのコンセプトや授業の価値も、進化し続けていることが、今の私たちの感動であり、喜びであり、関わりつづけてくださっている皆さまへの感謝でもあるのです。

VUCA、なんて言っていられない! 明るく、ポジティブな未来を紡ぎたい!

ここ数年「VUCA(ブーカ)」という言葉が流行りました。「VUCA」=Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で、つまり予測不可能な、目まぐるしく変転する未来の到来を予期した言葉です。

この言葉どおりの未来が訪れるとしたら、子どもたちは不安でいっぱいになります。でも日本でも、世界でも、時代が大きく変転するとき。このような予測不可能な状況に陥っていたはずなのです。たとえば江戸時代末期である19世紀。明治維新以降の急速で華やかな近代化を明確に予測できた人はいません。でも、新しい時代の波にのまれながらも、海外から取り入れた新しい技術や思想に、それまで築いてきた日本古来の文化を融合させながら、新しい近代国家の礎を創っていった。20世紀になり、戦後の焼け野原からの高度経済成長も。21世紀になり、東日本大震災からの復興の中で、新しい枠組みの街づくり、社会づくりが各所で進んだことも。人には、社会には、新しい時代の中で、そのときのベストを尽くして、新しい技術や、新しい発想を用いて、次なるものを生み出していく力、創造性があるのです。

それが、今の子どもたちが迎える、未来の明るさです。

未来の可能性を拓く「みらいキャンパス」という学びの場を、これからも。

その未来の可能性を開花させていくような学びの場を創りたい。その想いからはじまった「みらいキャンパス」はすでに半年以上が経ち、当初の私たちの予想をはるかに超えて、講師と子どもたちとの間に多くの学びのシーン、協働の瞬間、成長の感動エピソードが生まれていきました。人から人へ。講師から子どもたちへ。生きることの感動を手渡していく。自分のトクイを活かして世の中をよりよくしていく、そのための視点や価値観、その道に生きるおもしろさを伝授していく。熱が熱を呼び、伝播していく。感化された瞬間の子どもたちの目の輝き。自分でやってみたくて熱中、没頭した時間の貴重なこと。

人から人へ。講師から子どもたちへ。愛情とともに、生きる知恵や情熱を手渡していく、この「ヒューマンライブラリー=人間図書館」というコンセプトは、いまなお、膨らみ続け、進化し続けています。その可能性は、人の創造性の進化や深化に限界がないのと同じです。

阿部広太郎さん(※2)と一緒につくったブランドメッセージ。

この世界観の実現のために、私たちにできることは、ひきつづき、ひとりひとりの子どもをよく視ること。その想いを、子どもたちへのまなざしを、講師の皆様と共有し、ともに大人同士の互いの個性をも大切にしあう価値観を確かめ合いながら進むこと。

行きつく先は、人の創造性が個性いっぱい、彩り豊かに咲き乱れていくウェルビーイング(ともに、よく生きる)という社会の在り方。そう、ベネッセ(ラテン語で「bene=よく」+「esse=生きる」=「よく生きる」)、という社名にも現れている企業哲学に直結する私たちの理想を、あきらめることなく、ひたむきに紡いでいきたいと思います。

ぜひこれからも、ご一緒に、志高く。
よい未来を、共に創ってまいりましょう。

未来の学びプロジェクト、みらいキャンパスを、ひきつづきどうか応援よろしくお願いいたします。

城座多紀子 Takiko Shiroza (みらいキャンパス総合責任者)

※1:「未来の学びデザイン300人委員会」
未来にあるべき学びを社会全体で議論し創造するための「未来の学びプロジェクト」共創コンソーシアムです。
https://miraicampus.benesse.co.jp/consortium/

※2:阿部広太郎氏
「未来の学びデザイン300人委員会」メンバー。株式会社電通 コピーライター。「みらいキャンパス」のブランドを共創。

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