【プロジェクトメンバー対談01-前編-】プロジェクト発足の経緯や、教育への想いとは
「未来の学びプロジェクト」とは、VUCAと言われる不確実でより変化が激しくなる未来に向けて、これまでの教育の在り方にとらわれない、「真にあるべき学びのあり方」を共に探し、創造していくプロジェクトです。
今回は、総合責任者の城座とLearning Experience デザイナーの齋藤2名がプロジェクト発足の経緯や教育への想いについて語った内容を3回にわけてご紹介していきます。(中編はこちら 後編はこちら)
―まずは、「未来の学びプロジェクト」はベネッセの中でどんな想いで、どのように生まれたのでしょうか。
城座
このプロジェクトは、弊社社長の小林の想いからスタートしました。
小林は、これからの学びのあり方について問いを私たちに投げかけてくれました。「10年後、20年後の未来に、ベネッセが本気で取り組んでいるべき、未来の教育サービスとはどういったものであるべきか」。社員たちもそんな社長の熱い想いを受けて、呼応するようにプロジェクトに取り組んでいます。
―お二人はどのようにして、このプロジェクトに参加したのですか?
齋藤
「未来に必要な教育を考えていきたい人、この指とまれ!」という形式でスタートしました。いろいろな事業部の人が集まってきて、最初は僕と城座も面識がない状態でしたが、今では白熱した議論をともにし、共創していく仲間だと思っています。
城座
「未来の学びプロジェクト」は、社内の有志で構成されたプロジェクトです。未来に向けて、「あたりまえ」と思って積み上げてきた教育の価値観にとらわれず、新しく発想していくことが必要だと考えました。「子どもたちに真に寄り添う」教育プログラムを多く開発してきたベネッセだからこそ、子どもたちとともに、クリエイティブな未来を築いていく意志と覚悟をもって、新しい学びのあり方を構想しはじめたのです。
齋藤
「2030年に世の中がどうなっているのかイメージしよう。そこから逆算して何をすべきか考えよう」という社長からの問いは、僕の中でもとても印象に残っています。この問いはこのプロジェクトを象徴している問いですね。不確かでイメージしきれないからこそ、自由に発想できる余白があっていいなと思っています。
―お二人が手を挙げたときの想いをもう少し教えてもらえますか?
城座
私はこれまで幼児や小学生向けの事業に携わってきました。最近では、これから時代のスピードがますます速まり、想像もつかないような未来になっていくという予感を持つようになりました。その中で、「このままの教育のあり方でよいのかな」という課題を感じるようになってきていました。
―違和感のようなものですか?
城座
はい。未来に向けては、もっと、子どもたちの自由な発想力、創造力、その子の人間性や価値観、トクイ、好き、そういった「軸になるもの」を発揮して活躍していけることが求められていくのだろうな、と。
そのための教育をゼロから真剣に考えてみたい。その機会をもらえるのなら、ぜひ自分もやりたいと思って手を挙げました。
齋藤
僕は、中学生向けサービスの担当をしているなかで「テストで良い点数を取るための勉強」には限界があるのではないかと感じていました。このままで本当に子どもたちは幸せになれるのか?と。担当者としては、目の前の子どもたちに良い点数を取らせてあげたい!という強い思いがありつつも、「この不確かな未来に対して、テストの点数以上に必要な力もあるかもしれない」と課題を感じることがありました。そんな時に今回の社内公募があり、「これは!」と(笑)
城座
私たちは、目の前の時代そのものや、子どもたちの成長・活躍のサポートに向き合って教材を作ってきました。それ自体は悪いことではなく、これまでの日本の教育をいくばくかは支えてきたという自負はあります。
でも、そんな時に「目線を上げよう!」「時代を創りに行くぞ!」というメッセージが出されました。「子どもたちの学びを創ることは、未来を拓いていくことだ」と。そこからは「未来に必要な力はどんなものか」「子どもたちの個性、多様性を引き出していく教育とは何か」をより一層深く考えるようになりました。
―新規事業とかビジネスとかだけではなく、「時代を創る」という大きな想いが根本にあるんですね。
―Youtuberという職業が子どもたちの将来の夢として当たり前に登場するようになり、誰も予想していなかった新型コロナウィルス感染拡大によって生まれた新しい生活様式。まさに、未来は不確かなものだということを、感じさせられる昨今ですが,そのような未来に対し、子どもたちには今後どのような力が必要になるとお考えですか?
城座
これからの未来は、テクノロジーはより一層進化し、環境問題やエネルギー問題などの複雑な課題についても地球市民として広い視点で考え、行動も起こしていかねばならないですよね。そんな社会的な危機感も含めて未来が変わっていくときに、今までの教育だけでは立ち行かないものがあるのではないかというのが、このプロジェクトの大きな課題感です。
VUCAの時代のなかで、自分たちが生きたい世界観をデザイン・クリエイトしていくためには、「創造的な学び」が必要だと考えています。一人ひとりの個性に着目し、対話を重ねて、それぞれの強みや得意を伸ばしていく教育を目指していきたいと思っています。
中編につづく